今回は『脂質の取り方』について皆さんに知ってもらいたいと思い、記事を書いてみました。
テレビや病院の指導でコレステロールの取りすぎによる肥満、生活習慣病リスク増を気にしている方も多いと思いますが
だからと言ってコレステロールを敵視してしまわないで欲しいと考えています。
目次
脂質の役割
脂質は3大栄養素(他は糖質、タンパク質)の一つで、3つの中で最もエネルギー(9キロカロリー/1g)が高く、体を動かすパワー源です。
脂質は他にも内臓の保護、脳や血管壁、細胞の膜(細胞膜)の主要な構成成分、ホルモンの原料(性ホルモンなど)、脂溶性ビタミン(A.D.E.K)の吸収の補助(つまり骨や肌の健康にも関わる)と
体の色々な機能や燃料、材料として使われています。
役割まとめ
1.エネルギー源、2.細胞や内蔵や脳の材料、3.ホルモンの原料、4.脂溶性ビタミンの吸収補助
◎脂質の種類(避けるべき物と意識的にとる物)
大きく3つに分ける
1.飽和脂肪酸 2.不飽和脂肪酸 3.トランス脂肪酸
1.飽和脂肪酸
バター、生クリーム、チーズ、加工油、肉の脂身
融点が高い(溶けにくい)のが特徴
2.不飽和脂肪酸(2に分ける)
2-1.一価不飽和脂肪酸(オメガ9、オレイン酸)
熱に強く酸化しにくいので、調理に使うのにオススメ。
オリーブ油、ひまわり油、米油、胡麻油、アボカド、
2-2.多価不飽和脂肪酸
熱に弱く酸化しやすいので、サラダや生食用に使うのがオススメ。
多価不飽和脂肪酸は、更に2つ(オメガ6、3)に分けられる
オメガ6:
体の炎症促進作用があるので摂りすぎに注意。
米油、ごま油、紅花油、とうもろこし油、大豆油、外食やインスタントに多い。体の炎症促進作用があるので摂りすぎに注意
オメガ3:
体の炎症抑制作用があり現代人に不足しがちと言われているので意識的にとる。
えごま油、亜麻仁油、くるみ油、青魚油(EPA、DHA)
3トランス脂肪酸
自然界に存在しないもの。発癌性、炎症・アレルギー性、不妊、うつ、脳血管障害のリスク増。最も避けるべき脂質。ヨーロッパや中国ですら国内流通に規制や禁止をしている脂質。
マーガリン、ショートニング、植物油脂(合成油)、スナック類
◎コレステロールの過剰と不足で考えられるリスク
過剰(トランス脂肪酸やオメガ6、飽和脂肪酸)
肥満、生活習慣病、高脂血症、動脈硬化、アレルギー症状(花粉症、アトピーetc)
体内で有効活用できないとリスク増。
不足
①血管や細胞膜が弱る、それにより脳出血のリスク増。
②痩せすぎ、疲れさすさ、体力低下
③脂溶性ビタミン(A.D.E.K)の吸収低下
人参、キノコ類、カボチャ、ウナギ、納豆、ほうれん草、ワカメなど
骨や歯を綺麗にしたり、肌の新陳代謝に関わる
◎コレステロールは高い方が良い?
「コレステロール値が高いと病気になる」と多くの方がそう認識していると思います。しかし前述したように私たちは脂質がなければ生きて行けません。
確かに取り過ぎれば肥満を招き、そこから生活習慣病につながりますが、ここで取り上げたいのが、日本の基準値の問題です。
日本の今の基準値は1990年代にアメリカが採用した値を参考にしています。ところがその後アメリカでは「その数値は低すぎる」ということになり基準値の適正化が進んだ(基準値を上げた)のに対し、日本では抜本的な見直しは無いまま現代に至っています。
そもそもコレステロールは、加齢に伴う炎症を抑えるために増加してしまいます。
なので年齢や性別を考慮しないで決められている数値も問題があると指摘されています。
◎理想的な脂肪酸の摂取バランスとは?
①理想的な脂肪酸全体の割合
飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸
3:3:4
②理想的な多価不飽和脂肪酸の割合
オメガ3:オメガ6
1:1〜4
③現代人の多価不飽和脂肪酸の割合
オメガ3:オメガ6
1:10〜50
オメガ6は、市販の揚げ物や惣菜、加工食品などに多く含まれています。そのため現代人はオメガ6を過剰に摂取している人が多いと言われています。
そうすることで、血管の炎症や血液が固まりやすくなったり、アレルギーリスクを高めるので取り過ぎには注意が必要です。
オメガ3と6はそれぞれ逆の作用があり、どちらも必須脂肪酸なのでバランスが大切です。
全身のさまざまな生理機能を調節するホルモンの材料でもあり、これらから作られるホルモンが生理痛の緩和などの役割もしてくれています。
◎良い油を選ぶ
選び方
1.「低温圧搾」で「圧搾一番搾り」などと書かれた製法の油を選ぶ。
2.遮光性容器に入っているものは酸化しにくい
常温では1ヶ月ほどで酸化が始まるので1〜1.5ヶ月位で使い切るように心がける。
3.成分表示に以下の記載がある加工品はトランス脂肪酸が使われている可能性が高いので、買わないように気をつける
植物性油脂、ショートニング、マーガリン、加工油脂、ファットスプレッド、パーム油
◎まとめ
積極的に取るのはオメガ3やオメガ9。控えめにするのはオメガ6。最も避けないといけないのがトランス脂肪酸。
という順番になります。
詰まるところバランスですね。
「コレステロール」というだけで敵視せず、体にとって必要と不必要を知り、そのバランスを意識して選ぶのが大切です。
日本の基準値は低く設定されており、その値から外れると薬を処方され、病院や製薬企業が潤っているという構造を知ることも、自分や家族の健康を守る上では大切だと思っています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
皆さんの参考になれば嬉しいです(^_^)!
参考サイト
大櫛陽一医師の記事
https://tokusengai.com/_ct/17346816
参考図書
「その油をかえなさい!」内海聡医師 著書